ゲリラ豪雨(集中)とは?原因と対策 2015被害は
夏に午前中まではキンキンに晴れていたのに急に午後になって曇りがちになり、気づいたら滝のような雨が降ってきた。
1時間もしたらその雨がやんだ、なんて経験をした人もいると思います。
僕も東京の中心部で仕事をした帰りに、傘をもたずに移動していたらゲリラ豪雨に遭遇して、服がビチャビチャに濡れたということもありました。
この都市型のゲリラ豪雨について考えてみたいと思います。
なぜゲリラ豪雨が発生するのか
さまざまな要因があり完全には解明されていませんが、都心部の場合は次の3つ
・ヒートアイランド
・高層ビルの乱立
・海風が集まる
などの原因が重なって生じるともいわれています。
・ヒートアイランドと高層ビル
東京はアスファルトの道路だらけ、ビルがいっぱいで木々の緑や畑は少ないです。
夏の強い日差しが降り注いでも、熱を冷まさせるための緑が少ないので逃げにくくコンクリートだらけで、熱がこもりやすいです。
さらにどこもかしこも屋内は冷房が効いて、出される熱も都市部を暑くさせる原因です。
こもった熱が都市だけ気温を上げると、今度は海の方面との温度差を生じさせるので
それが都心部へと吹く「海風」を作り出します。
やがて上昇気流をつくりだし、それが雨雲に変化することさえあります。
ヒートアイランドによる暖かいままの空気が、急に上空にいって冷たい空気とまじりあうと水蒸気が固まって「雨」を降らせます。
さらに、新宿西口や汐留の高層ビル街に代表されるように高いビル群が多く建っています。
虎の門ヒルズ、豊洲のタワーマンションなど高い建築物がどんどん立ち並んでいます。これらは海風の流れを邪魔し、衝突した風は、上空の、上へと昇ろうとする力が強まります。
ビルがなければ他のエリアへうまく流れていた風が、高層ビルの周辺の区域のはるか上空にとどまった形になり東京近郊で雨雲となって、どしゃぶりの雨になって降ってくるのも原因です。
東京周辺で増えた高層建築物の量と、ゲリラ豪雨の回数を調べたデータによると
年々ふえる高層ビルの量と、豪雨の回数が比例関係にある、という数値も出ています。
・海風が集まる
首都圏には海から都市に向かって吹く風が3方向から来ています。
・茨城方面からくる風
・東京湾から
・神奈川の相模湾方面から
これら3つの風がヒートアイランドで熱をこもった都市部に流れこみます。
海風は湿っており、それらがヒートアイランドの熱で上昇気流をつくり雨雲を作り出します。
他にも
・東北方面からくる寒気
・太平洋上にある南からの熱帯低気圧などの湿った空気
が入り込みやすいので、大気が不安定になりやすいという理由もあります。
ゲリラ豪雨の対策
突然降ってくるゲリラ豪雨を止めることはできませんから、いつ降ってきてもいいように準備しておいた方がずぶぬれにならずにすみます。
・ゲリラ豪雨アプリをスマホに入れておく
スマホでは豪雨対策用のアプリも登場しています。
雨雲の状態を10分ごとに表示させ、1時間先の動きまでを把握できるアプリ。
雨レーダーとGPSを関連付けて、これから向かう先で雨が降っていないかを確認できるアプリ。
東京は晴れと天気予報で発表されても、局地的なゲリラ豪雨は予報しにくく、非常に狭い範囲で大雨が降られると大変です。
そんな時にリアルタイムで雨情報を教えてくれるアプリは重宝します。
・ゲリラ豪雨対策用の傘もある
コンビニで売られてるビニール傘だとサイズが小さく、体に雨が当たる、風で傘が折れた雨が漏れてくるなどの心配がありますが
この傘は頑丈な骨組み、防水テープ加工がなされており、豪雨対策が施されています。
・たとえ猛暑の日でも、折り畳み傘は持ち歩く
・マンホールや排水路の近くには近寄らない
下水に短時間で大量に雨が流れ込むと許容量をオーバーしマンホールがはずれ
水が噴水のように爆発したりします。渋谷でマンホールがはずれて話題になりました。
また鉄砲水のように排水路で水が流れます。
どちらも、もしも落ちたら命にかかわりますから冠水して川のように水が流れる道路排水路の近くにはなるべく近寄らないようにしましょう。
ゲリラ豪雨とは
非常に狭い範囲で、1時間で50から100ミリを超えるような雨が
短時間で降るどしゃ降りのような豪雨のことをいいます。
大きな雷の音、落雷が一緒にともなうことも多いです。
降る範囲は、練馬とその付近だけ、新宿方面だけといった具合に
非常に限られたエリアで大きな雨が降るのが特徴です。
たとえば東京の世田谷方面で豪雨が降ったとしても、
その他の東京都のエリアや神奈川や埼玉の他の首都圏で雨が降らないこともままあります。
滝から水が流れるように、ゴーっと傘が役に立たなくならないような雨が降ります。
道路が川のように水が流れ出ることもあります。
なぜ雨が降るのか
雨は空気中に含まれる水蒸気が、空の上空にどんどん上がって
温度が下がることにより、耐えきれなくなり、水蒸気から「水」に姿を形をかえたものです。
また雨は「雲(くも)」の中から降ってきます。
集中豪雨は、水蒸気をふくんだ空気の塊が、どんどん上昇しながらも
そのまわりの温度と相いれず、高い状態になったのが
それが凝結して雲をつくらせ、「積乱雲」と呼ばれる雲の種類になって出来ることがあります。
夏は気温が30度を超えるように高いため
空気中に含まれる水蒸気の量がもともと多いです。
温度が高いほど貯められる水蒸気の量が多いからです。
水蒸気の量、つまり湿り気が多いほど、「水」に変わることが出来る量が多く、「大気が不安定」にもなりやすく雨が降りやすいのです。