節分 いわし・柊の由来【くわしい!】いつまで飾る?
節分といわし、全然関係なさそうに思えますが、昔は豆と一緒によく使われた食べ物なんです。
なぜいわしが節分と関係するの
「やいかがし」という昔からの節分での習わしに関係しているんです。豆まき以外にも節分では「いわしを食べ、頭をつけて葉っぱの柊(ひいらぎ)を飾る」という風習があります。
豆だけが鬼退治の方法でなくて、「やいかがし」という物で退散させる方法も広く知られていました。
それを見ると鬼が「いやだ~、痛い痛い、くさい」と言いながら逃げていくといわれていました。
「焼き嗅がし」という言葉が方言でなまって出来た言葉だといわれてます。
どんな風にやるかといえば
・ヒイラギというトゲの葉がついた枝に、焼いたいわしの頭をさします
・玄関のドアの柱の近く、家の入口の近くに飾っておく
窓側に結んでさしておく
鬼を追い払うための行事ですが、これら2つは鬼の弱点にあたるんですね。
鬼は
くさ~い臭いと、とがったトゲに弱い、と言われてます。
・いわしを火で焼くと鬼が退散しそうな嫌なにおいがでるから近寄ってこなくなる
・ヒイラギの葉っぱはさわると痛い、トゲがあるので、これが家を覗きにきた鬼の目にあたって刺さって弱められる
から魔除けにつながるため飾られたんです。
何で節分にいわしを使うのか?
いわし、青魚はとりわけ臭いがします。
イワシは漢字で書くと「鰯(さかなへんに 弱い)」なんです。
漢字からもわかるとおり、魚の中で弱い、傷みやすく、放って生のまま置いておき腐ると強烈なくさい臭いがするから、こんな漢字を書くんですね。
この臭いを鬼に嗅がせればいちころで退治できると信じられていました。
ひいらぎは、さわると痛い葉っぱの代名詞で
他に焼くと「バリバリ」っと音をたてるので、そのうるさい音が悪霊を追い払ってくれると信じられていました。
今のように農家の人が田んぼに農薬をまいて害虫を駆除するなんてことはできませんでしたから
害虫をいなくするには、煙やくさい臭いを用いることが多かったんですね。
日本だけじゃなく、ヨーロッパでも活躍する葉っぱです。プレゼントが楽しみなクリスマスにも使われます。
こちらは西洋ヒイラギという種類で、かわいい赤い実をつけます。
日本のヒイラギのように、ギザギザしたトゲはありません。
鬼のを目を指す理由の他に、柊は「縁起のいい樹木」と思われています。
樹齢で60年を超えると、木から生えるトゲがなくなります。
人間にたとえて、歳をとって穏やかになる、健やかに過ごせてると思われているんです。
他には「樅(もみの木の枝)」「榧(かや)」「海桐花(とべら)」も使われていました。
やいかがしはいつからいつまで飾るの?
地方によってちがい、はっきりとしたルールはないようです。
・立春になって朝起きたらとりはずす
・2月の28日までは飾っておく
ずっと長期間おきっぱなしだと、野良ネコにいたずらされてしまいますから節分が終わったら片付けてしまってもいいでしょう。
やいかがしの処分の方法
これも定まった決まりがあるわけではないようです
・紙に包んで庭の軒先に埋める
・神社で引き取ってくれる
・塩をつけて燃やす
・ゴミに捨てる
最後は現代的な捨て方ですが、生ごみの日に、ゴミに普通に捨てても問題ないようです。塩をまぶしてお浄めをして捨てればバチは当たらないと思います
どうやって手に入れるのか
2月3日の前になればこれら2つは手に入りそうです
イワシはスーパーや魚屋で
柊はガーデニング店や花屋で節分前になると販売しているところがあるようです
その他
地方では、もっと強力な「やいかがし」がつくられ、実行されてきました。
・鬼は人間の髪の毛が焼かれた臭いを嫌がる、とも言われてのでそれをくっつけたり
・いわしの頭に、人間のつばを「ぺっ」と吹きつけ 田んぼや畑に悪さをする害虫の名前を唱えながら
来年の豊作を願う「虫の口焼き」という習わしをおこなう地方もありました。
・やいかがしは地域によって呼び名がことなり
京都 オニヤライ
福井 ヤグサメ
三重 アクサ箸
とちがう名で呼ばれたりしていました。
いわし料理
「やいかがし」を玄関に飾ったり、自作したりすれば
いわしの頭以外の部分はあまってしまいますよね。いわしを子供に食べさせたいなら身の部分をおいしく食べれる料理を2つ紹介します
1 イワシのかば焼き
簡単です。
・頭をのぞいたいわしのうろこを取ります
・手でびろっと1枚にひらき、骨と内臓をとります
・薄力粉で身をまぶします
・フライパンで甘しょっぱいタレをつけながら焼きます
・うな丼のようにご飯にのせて出来上がり
2 つみれ汁
・身を細かくみじん切りにします
・すりつぶして、団子状に丸めます
・野菜をたっぷり入れた味噌汁や醤油汁に、つみれを入れます